映画『緑の夜』公式サイト

映画『緑の夜』
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(本編の内容に触れています)

INTRODUCTION

2023年ベルリン国際映画祭でワールドプレミア上映され、テディ賞/パノラマ観客賞にてノミネートされた本作。ファン・ビンビンの俳優復帰作としても大きな話題を呼んだ。韓国で抑圧された生活を送るジン・シャと、危うくミステリアスな緑の髪の女。彼女との出会いを本能的に“危険だ”と感じるジン・シャだったが、2人は人生をかけた危険な賭けに乗り出す―。

中国から韓国に渡ったジン・シャを演じるのはファン・ビンビン。ハリウッド作品『355』や『武則天-The Empress』など、その天性の華を最大限に活かした役柄の多い彼女だが、本作では抑圧された人生を甘んじて送るも、自由のために大きな賭けに出るジン・シャを演じ切っている。

謎多き緑の髪の女を「梨泰院クラス」でのブレイク、是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』での好演も記憶に新しいイ・ジュヨンが演じる。『なまず』『野球少女』など独創性溢れる話題作への主演でも知られ、話題作が待機する「信じて観る」若手俳優の1人だ。

韓国社会の闇を通して、彼女たちの自由と解放を最後の一瞬まで問い続ける本作のメガホンを取ったのは、監督デビュー作『Summer Blur(原題)』が世界的に高い評価を得たハン・シュアイ。「自由を得るためには、見えない何者かの許可を得る必要がある」と語る彼女は、「この物語で彼女たちの揺るぎない決意にもう一度触れ、あの顔の見えない何者かに立ち向かう勇気を手にしたい」と作品に込めた願いを述べる。イ・チャンドン監督『ポエトリー アグネスの詩』を手掛けたキム・ヒョンソクが撮影監督として参加している。

STORY

苦難に満ちた過去から逃れようと中国を離れ、韓国で抑圧された生活を送るジン・シャ。

保安検査場での仕事中、ミステリアスなオーラを放つ緑色の髪の女と出会い、ふとしたきっかけで危険で非合法な闇の世界に巻き込まれていく。

果たして、彼女たちの運命の先に待ち受けるものは―。

CAST

※映画タイトルの後ろの()の数字は日本公開年。未公開や映画祭イベント上映の場合は、(未)と制作年を記載

ファン・ビンビン(ジン・シャ)

中国の俳優、プロデューサー。1998年に大ヒットしたテレビシリーズ『還珠姫~プリンセスのつくりかた~』で脚光を浴びる。2003年にフォン・シャオガン監督の『手機(原題)』に出演。同作は当時の年間最高興行収入を記録し、大衆映画百花賞最優秀女優賞を受賞。2007年、『The Matrimony(英題)』での演技で金馬奨助演女優賞を受賞。

2010年シルビア・チャン、チェン・ボーリンと共演した『ブッダ・マウンテン ~希望と祈りの旅』で東京国際映画祭最優秀女優賞を受賞。2016年に主演したフォン・シャオガン監督作品『わたしは潘金蓮じゃない』では、サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞。

金鶏奨、アジア・フィルム・アワードでも最優秀女優賞を受賞した。その他の出演作品にリー・ユー監督作品『ロスト・イン・北京』(未・2007)ワン・シャオシュアイ監督作品『重慶ブルース』(未・2010)、チェン・カイコー監督作品『運命の子』(2011)など。また『マイウェイ 12,000キロの真実』(2012)、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)、『355』(2015)など、韓国映画やハリウッド作品にも出演。

2017年には第70回カンヌ国際映画祭でペドロ・アルモドバル、パク・チャヌク、ジェシカ・チャステイン、ウィル・スミスらと共に審査員を務める。映画芸術科学アカデミー会員。『緑の夜』が俳優復帰作となる。

イ・ジュヨン(緑の髪の女)

韓国の俳優。2020年放送のドラマ「梨泰院クラス」のマ・ヒョニ役で大ブレイクを果たした彼女だが、『春の夢』(未・2016)、2018年釜山国際映画祭で「今年の俳優賞」を受賞した主演作『なまず』などの意欲的な長編映画に出演し、その比類のないキャラクター作りで突出した存在感を見せていた。

2021年には主演作『野球少女』で青龍映画賞/新人女優賞にノミネートされた。その他の出演作にク・ギョファン主演『夢のジェーン(原題)』(2017)、「TIMES〜未来からのSOS〜」など。

2022年にはカンヌ国際映画祭のコンペティション部門の受賞作品である是枝裕和監督作品『ベイビー・ブローカー』に出演。

キム・ヨンホ(イ・スンフン/ジン・シャの夫)

韓国の俳優、映画監督。『アバンチュールはパリで』(2009)、『イントロダクション』(2022)などのホン・サンス作品や、ハ・ジウォン主演の「奇皇后」や「ごはんに願いを〜人生逆転レストラン〜」などのドラマまで、ジャンルを問わず多様な作品で活躍している。

2014年に『天使の歌(原題)』という短編で映画監督デビューした。

キム・ミングィ(ドン/緑の髪の女の彼氏)

韓国の俳優。モデルとして芸能界でのキャリアをスタートさせる。

キム・レウォン主演「L.U.C.A. : The Beginning」、ソン・ガン、ハン・ヒョジュ共演「わかっていても」、ハ・ジョンウ、ファン・ジョンミンら豪華キャスト出演で話題を呼んだNetflixドラマ「ナルコの神」など、話題作に出演している。

STAFF

監督・脚本:ハン・シュアイ

中国・山東省煙台市出身の映画監督・脚本家。中央戯劇学院で演劇・映画を学び博士号を取得。

初監督作品『Summer Blur』で2021年開催のベルリン国際映画祭/ジェネレーション Kプラス部門で最優秀賞受賞、2020年開催の釜山国際映画祭/ニューカレンツ部門で国際映画批評家連盟(FIPRESCI)アワード受賞、2020年開催の平遥国際映画祭/ フェイムアワード部門でジュリーアワード受賞、2021年開催の香港国際映画祭/火の鳥ヤングシネマコンペティション部門で最優秀監督賞・最優秀女優賞受賞。

「新たな印象のシネマ:ロウ・イエの美学」をフェニックス教育出版株式会社より出版した実績もある。

撮影監督:マティアス・デルヴォー

ベルギー出身の撮影監督。

ワン・シャオシュアイ監督が製作を務めた『老いた野獣』(未・2017)、『宇宙探索編集部』(2023)、ぺマ・ツェテン監督の遺作『雪豹』(未・2023)などを手掛けている。

撮影監督:キム・ヒョンソク

韓国の撮影監督。

第35回黄金撮影賞銅賞を受賞したチョン・ジュリ監督『私の少女』(2015)、イ・チャンドン監督の『ポエトリー アグネスの詩』(2012)、ワン・シャオシュアイ監督の『在りし日の歌』(2020)などを手掛けている。

COMMENT(順不同)

息苦しくも心地よい
臨場感。
僕もこの撮影現場に通いたかった。

岩井俊二 (映画監督)

緑の夜 ずばり、闇だった。数多の闇。抗えないこの闇に光るべきは彼女たちだけのはずだったのに。ふたりの運命に胸が痛い。でもそこには譲れない絶対の意思があった、と思いたい。 ファン・ビンビンとイ・ジュヨンという俳優に、わたしは至極魅了された。

さとうほなみ (女優)

ファンビンビンといえば強い女性を数多く演じてきたが、今作では見た事のない彼女がいる。
壊れてしまいそうな儚さと、憔悴してても隠しきれぬ美しさ。
目を背けたくなる場面があっても眼が離せない。
決意した彼女たちがどんな結末を選ぶのか、確かめるために。

熊江琉衣 (モデル・タレント)

中国の大スター、韓国のトップ女優、そして中国の新鋭監督
更に香港出資で、韓国を舞台にしたアジアの物語。こんな理想的“アジア映画”はないだろう
復活したファン・ビンビンは非常に素晴らしかった!
まるでリー・ユー作品の時代に戻り、美しい緑の夜から再出発した

徐昊辰 (映画ジャーナリスト)

港でふたりの女が宿命的な出逢いを果たすとき、物語は幕を開ける。
ある者にとっては到着の地であり、またある者にとっては出発の舞台でもある港は、
いまここにはないまだ見ぬ未来への予感の誘発力を引き込む。

児玉美月 (映画文筆家)
パンフレット寄稿文「傷跡、あるいは爆破のための炎」より

緊張感と高度な撮影による
卓越した映画体験

Critic Notebook

ファン・ビンビンとイ・ジュヨン、2人の俳優が共に描く、
格別な夢幻の夜

YTN